「砂の女」1964年 日本

1964年
監督:勅使河原宏
出演:岸田今日子、岡田英次 他

岡田英次が蟻地獄女・岸田今日子に引きずられて大変なおはなし。

とにかく砂。この映画は砂が主役です。砂の動きなんて計算できるもんじゃないと思うのですが、これがまるで意思でも持ってるかのように流れて動く。
オープニングからして、これはちょっと普通じゃないぞという雰囲気で、設定も非現実的であるんだけれども、どこか現実的でもある…不思議な気持ちになります。

学校の先生してて、砂地に生息する昆虫を採りにやってきた岡田英次。地元の人から岸田今日子の家を宿泊先として紹介される。この家がまさに蟻地獄で、砂の下っていうか…砂地を掘ったようなところにあるわけです。
地上へは梯子を使って昇り降りするしかない。しかしその梯子は普段はかかっていない。下からかけることもできない。生活用品は全て配給制。
岡田英次はこの家から抜け出せなくなる。

家に砂が落ちてくるので、かめに溜めた水は砂だらけ。食卓の上には傘をさす。普通に座ってるだけで全身砂だらけ。
岡田英次も岸田今日子もいつも肌に汗が滲んでいて、湿度の高い暑苦しさがこっちまで伝わってくるし、砂まみれの気持ち悪さっていうか…なんだか口の中までザラザラしてくるような、観ているとそんな錯覚を起こします。

岸田今日子は未亡人らしく、縛られてる時なんて何ともいえない色気があって、同時に持ち前のホラーな雰囲気も発揮。岡田英次がちょっと気を抜くと調子に乗って女房ヅラするという(笑)ちょいちょいイラっとくるキャラ。
結局長い間ここで二人きりで過ごすことになるわけで、やがて本当に夫婦のような、お互い空気と言った方が良いのか…そんな感じになっていく。

限られた空間、限られた生活の中で、岡田英次は生き甲斐を見つける。
この時にはもう、この蟻地獄から抜け出そうなんて考えてもいない。

この岡田英次の姿はね、みなさんきっと何か感じるところがあると思う。
もちろん、慣れることの怖さというのも感じたんですけど。自分の動ける範囲、自分の能力の範囲で夢を見つけるんですよ。欲張らないというか…
現状に満足できずにもがいてる人はたくさんいると思うんですけど(私もそうですけど)、そうした中でやりたいことや目標を見つけるっていうのは、実は大事なことなんじゃないかと思う。

もがいて抜け出せることならいいですけど、現実的にどうにもならないことの方が多いじゃないですか。ねえ。

…ところで岡田英次のお尻はなんであんなに白いの?一番印象に残ったのは岡田英次の尻です。