「その夜の妻」1930年 日本

サスペンス
1930年
監督:小津安二郎
出演:岡田時彦、八雲恵美子、斎藤達雄、笠智衆、山本冬郷

サイレント映画なので、ちょっと気を抜いて目を逸らすとすぐ話がわかんなくなる。実は開始15分程度でうっかり眠っちまいまして…無音だし…お昼食べた後だったし…起きて結局最初から見直しました。まあ1時間ちょっとの作品なので、見直すといってもね。

それにしても、私は戦前の映画には疎くてあまり観ていないのですが、先日見た「淑女は何を忘れたか」といい、すごく洒落ていて驚き。

岡田時彦には病気の娘がいて、娘の治療費を工面するために強盗を働いて警察に追われるんだけども、なんとかタクシーに乗って妻と娘が待つ自宅へ戻る。ところがそのタクシーの運転手が実は刑事で…というお話。
岡田時彦の逃走シーンや上がり込んできた刑事に拳銃を突きつける妻など、まさかのノワール風味で(笑)しかし最終的には心が暖まる人情劇でおさまる。

刑事が山本冬郷という俳優さんなんですが、この人身長2m近くあったらしい(wiki調べ)しかし2mは言い過ぎな気が…長身の斎藤達雄と並んでも同じくらいに見えたので、確かにデカい。その斎藤達雄は娘の主治医役。斎藤達雄はスマート&モダンですよ。あなた絶対モテたでしょ?
妻の八雲恵美子さんて私は全然存じなかったんですが、可愛らしくてとても良かった!これで着物で二丁拳銃しちゃうんだから、これまたモダンですよ。そんでこの夫婦の住む部屋がなんと洋風ですよ。なんてオシャレなの…大正〜昭和初期って、和洋のミックス加減が絶妙じゃないですか?

出ている俳優さんたちが持つ雰囲気といいこうしたセットといい…帽子の扱いもかっこいいんだ。とにかく全編、洒落てます。戦前邦画は今後も攻めていきたいですね。岡田時彦は言わずもがな。いやもう、岡田時彦のパラっと落ちた前髪とサスペンダー、そしてほどいたネクタイに私はグッときてしまって…あの肩幅の狭さとか着崩し方とかね、たまんなかったですね。

しかし役者さんはセリフ喋れない分動きと表情で全て表現しなきゃならないし、小道具の音にも頼れないし…パントマイムですもんね。お客さんだって当時はこれが普通で楽しんでたんだから、みんな想像力豊かだよなあ。