「白い悪魔」1958年 日本

ラブストーリー
1958年
監督:斎藤武市
出演:野添ひとみ、森雅之、渡辺美佐子、 小林旭、大森義夫 他

義父と娘、禁断の恋愛物。
気持ち悪いとは言わせないぞ。

@シネマヴェーラ 美しい女優・美しい衣装特集にて

粗悪画質を蹴散らかす完全無欠の美形コンビ

画質が酷い酷いと聞いていたので覚悟はしてたんですが、線がブレブレというかボケボケというか、なるほど確かに画質はひどかった。脇役の人なんて誰が出てるんだか判別がつかないレベル。
しかし修復はこれで精一杯ということで、観れるだけでもありがたいことです。

話の内容はズバリ血の繋がらない父娘の禁断の恋愛物。少女漫画から飛び出してきたようなでっかい瞳の野添ひとみ!同じく少女漫画から飛び出してきたようなちょび髭ダンディ瞳うるうるの森雅之!展開も完全に少女漫画の世界です。

舞台は函館。
冒頭、牧場でタクシーを降り、雪道をてくてく歩く森雅之。その向こうの方を馬に乗って颯爽とかけていく野添ひとみ。そんな野添ひとみを、早速瞳をうるうるさせながら「朝子ちゃん…!」とつぶやくモリマ。この時点で「この映画のモリマは良い!」がほぼ確定。

野添ひとみは早くに両親を亡くして、牧場を経営している祖父の清水将夫に育てられてました。森雅之や獣医の大森義夫に深酒を注意されていた清水将夫は案の定急死。清水将夫の遺言でモリマが野添ひとみを引き取ることになります。
実は、モリマは野添ひとみの母の元恋人。結婚するつもりで清水将夫にも期待されていたわけですが、自分の優柔不断さがきっかけでひとみ母を別の男との結婚に追いやってしまったという過去持ち。清水将夫がモリマに孫娘を託したのはそんな経緯もあって。

そうゆうわけで、元恋人と瓜二つの若い娘とひとつ屋根の下で暮らし始めることになります。おじいちゃんが死んじゃってワンワン泣く野添ひとみを「今日から僕が朝子ちゃんのパパだ」と慰めるモリマ。妖しい雲行きになってまいります。

モリマにのびのびと育てられたひとみはほんとにのびのびっていうかカマトトっていうか無邪気すぎるっていうか、まあ大変素直な子に育ちました。パパ大好き!を一切隠すことなく、人前でも平気で抱きついてきたりします。娘の突進に押されっぱなしのモリマが新鮮!
劇中に出てくる二人のスナップ写真がすごく雰囲気良さそうで、しかし画像が粗いもんであんまりよく見えなくて残念…

モリマが経営する洋装店で働くために、東京の美術大学へ進学する野添ひとみ。この辺りからモリマに対する好意が「恋愛感情」であることがいよいよハッキリしてきます。ひとりぼっちでパパに会えなくて寂しいからね。パパが仕事で東京に出てきた時のテンション↑↑っぷりが可愛い!ナイトクラブでのダンスシーンが素敵で眼福。

ちょっと感情が変わってくるのはモリマも同じことで、なんせ元恋人と瓜二つだからどうにも意識しちゃう。自分の目の前で着替え始める野添ひとみに悶々、野添ひとみが風呂入ってるところをすりガラス越しに見ちゃって悶々!
困ったモリマは野添ひとみに嘘ついて飲みに行き、そのままホステスとホテルかどっか行っちゃって朝帰り(でも何もしなかったらしい)

血の繋がりはないとはいえ、一応義父と娘の関係。自分の感情を必死で押し殺します。
ところが、野添ひとみはパパと一緒にいたいがために勝手に大学をやめて函館に戻ってくるという大暴走をやってのける。

大森義夫の忠告を受けて、モリマは野添ひとみを突き放すために、自分の洋装店で働いている渡辺美佐子と結婚しようとするが…

 

本来なら禁断の恋でバッドエンドになりそうな設定を完璧なハッピーエンドで終わらせていて、モラルもへったくれもあったもんじゃないなと思いつつ。
しかし野添ひとみのどストレートな愛情表現が可愛くてついつい「いいぞもっとやれ!」ってなる。野添ひとみのこのキャラは苦手という人も多いでしょうが、なんせ私、少女漫画好きなんでね。こうゆうの大好きなんですよ。でもって相手が森雅之だからね!野添ひとみに感情移入しちゃって胸キュンの連続。
禁断の恋だろうが年の差があろうが好きになっちゃうのはしょうがないわ、だってモリマだもの…この人にはモラルがどうとかそんな話は一切通用しないぞ。

この映画のモリマはちょび髭で可愛くてかっこよくて優しくて色気があってもう最高。カメラアングルも最高!どのシーンもすっごく良い角度からモリマを撮ってくれてる。
普通にしてても色気ムンムンなのに、やけっぱちで酔っ払ったひとみに「私のこと好きなくせに」って挑発された時には物凄い量の色気が瞬間的に発散されてて死ぬかと思いました。あの一言で一瞬、「パパ」の顔から「男」の顔に変わるんですよ。あれはたまらんかったわ。ドキドキしたわ。

パパの結婚話にショックを受けてファッションショーをぶち壊し、チャラ男な小林旭(!)を巻き込んで駆け落ちを企てる野添ひとみ。
出発寸前の列車や函館連絡船を駆け回ってひとみを探すモリマ。やっと見つけたと思ったら「靴履いてないし一緒に行けない!うわーん!」と号泣するウェディングドレス姿のひとみ(ここの泣きっぷりがすごく良かった!)をお姫様抱っこするモリマがあああああ…!(以下絶句

なんでおまえが話をまとめるんだよ!な大森義夫とか、便利使いされ過ぎて気の毒な渡辺美佐子とか突っ込みたいところはあったけども、それはもう横に置いといてね。
洋画チックでロマンチックな素敵ハッピーエンドで大満足!もう一度言うけど森雅之って人にはモラルなんて言葉は通用しないのです。相手が娘だろうがいくつ年下だろうが関係ないぞ。
ふたりともお幸せにどうぞ。

モリマ出演作で恋愛物でハッピーエンドってなかなかないので、そうゆう意味でもこれは貴重で良い作品でした。
もう一度観たい。この画質でソフト化はないだろうから、CSで流してくれないかな…