「女は夜化粧する」1961年 日本





1961年
監督:井上梅次
出演:山本富士子、川口浩、田宮二郎、上原謙、森雅之 他

かつては新劇女優を志し、今は赤坂でギター芸者として成功している山本富士子。
意地悪してくる先輩芸者をおしのけナイトクラブのマダムに抜擢されるが、将来を有望視されている作曲家の川口浩と運命の再会を果たし…

ゴージャス☆山本富士子

まさしく大映!メロドラマ!!って感じ。
周りに森雅之、上原謙、田宮二郎という男前が揃っているにもかかわらず、なんで川口浩?と思ってしまうんですがそうゆう話なのでしょうがない。というか、お富士さんの弟に対する態度を見てれば、なるほどこれは川口浩だなということになるんです。

ギター芸者として人気を博し、先輩芸者からは白い目で見られているお富士さん。そんなお富士さんに目をつけたのが、建設会社の社長で赤坂に作るナイトクラブのマダム探しをしていた森雅之。先輩芸者の目を気にして返事を渋っていたお富士さんですが、モリマに「キミの頭の良さと度胸を買ったんだ」と言われ、ついにマダム話を引き受けることにしました。そして怒涛の開店準備が始まるが、お富士さんは何故かモリマを箱根へ誘う。

これね、先に言わしてほしいんですけどね、この映画の森雅之は最高っすよ。時たまぶっ込んでくる全身男前の役ですよ。このモリマを観るだけでも、十分価値があります。
頭がよくて人を見る目があって、状況判断も的確。無理押しせずに時期が来るのをグッと待ち続け、さあここだよってところで確実に持っていくんです。色気とエロさはいつもの如く。
「体の関係を持って安心したい」とか言い出したお富士さんに箱根のホテルに連れ込まれて案の定、お富士さんに惚れちゃうわけですが。お富士さんにアタックをかわされても余裕。音楽会の誘いを速攻で断られても余裕の態度を崩しません。ベッド脇の電気つけたら部屋がピンク一色になったのは笑った。昔のラブホってあんな感じですか?あからさますぎる。
そしてスーツがジャストサイズなのか、これのモリマはえらいシュッとして見えるのです。立ち姿がすごくかっこいい。たまりません。もう一度言うけどこんな男前が目の前にいてなんで川口浩だよ!

川口浩は川口浩でまさに川口浩って感じで弟キャラ炸裂。しかし決して魅力的ではない…よね。自分勝手の甘ちゃんだし、良さが全然わからなかったなぁ。ピアノ弾きながら「踊るリズム…!」とか言い出した時は笑いすぎて腹がよじれるかと思いました。
指揮者姿もあそこまでサマにならないと逆に清々しい。上原謙の指揮者姿が文句なしにかっこいいだけに、余計川口浩のかっこわるさが目立ってね…上原謙の指揮者姿は眼福です。さすが吹奏楽経験者。

お富士さんと川口浩が夢中になっちゃって、店の売上げは落ちるわ、川口浩も将来をかけた大事な仕事をすっぽかすわでお互いの存在が徐々にマイナス方向へ。このふたりの、周りがちっとも見えてないやりとり見てると腹が立ってくるんです。こうゆうカップルいるよね。
例の意地悪先輩芸者にお富士さんの悪口を聞かされたモリマは、クラブへ出向きやんわりと忠告。「キミが敵から、噂に尾びれをつけて悪口を言われるのがたまらんのだよ」こんなセリフをあの声で言われたら普通惚れますわね。
ついでにその悪口を聞かされてる時のモリマもかっこよすぎた。出てくるたびにいちいちかっこよすぎた…

モリマにも上原謙にも釘をさされて「みんなで仲を裂こうとするんだわ!」とプンプン怒ってたお富士さんですが、川口浩の将来のためについに分かれる決心をする。川口浩を諦めさせるために、嘘をつく。「私、モリマと結婚するかもしれない…」

 

モリマのことばっかり書いちゃったけど、この映画のもうひとつの見どころはなんといってもお富士さんの衣装!着物!それはちょっとどうだよっていう奇抜な柄でも全く違和感なく着こなしてるのが本当にすごいと思って。着物に負けない、御本人のあの貫禄あるゴージャスな雰囲気は真似しようと思ってできるもんじゃありません。
かと思えば、遭難した弟を迎えに行く時の「普通な服」姿は妙にモサくて、そのギャップがまた良かった。女は服装や化粧でガラッと変わるもの。

ラストはモリマが超大人の対応で締めてくれます。あんな男は現実には存在しないでしょう。
やるわね…