「オリバー・ツイスト」2005年 英/仏/伊/チェコ

人間ドラマ
2005年
監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク、ベン・キングズレー、ハリー・イーデン、ジェイミー・フォアマン他

19世紀ロンドン。
身寄りのない9歳の孤児オリバーは、救貧院でおかわりを求めてしまったがためにあっという間に追い出されてしまう。
運命の波に流されながら健気に生きるオリバーの姿を描いた感動巨編。

オリバーの可愛さありきで成立してる作品

行く先行く先でとにかく大変な目に会うオリバー。
メシのまずそうな救貧院(本当にまずそうなんだこれが)、追い出されて他の家に雇われればそこにいたのは性格の悪いクソガキとクソババアと、妻に逆らえない頼りにならんおっさん。

そこから逃げてロンドンまで歩いてみれば、拾ってくれたのはフェイギン率いる泥棒グループ。それからあんな事やこんな事があってやっと良い人のところへ行けたと思ったらあっという間に逆戻り。さらにまたあんな事やこんな事…とにかく運がない。

それでもひねくれないオリバー。
なんて可愛い!とにかく可愛いんだこの子が!これは天使ですよ、天使です。
いつか幸せになれる事だけを願って目の前にあることを必死に頑張るわけです。たとえそれが『泥棒になるための手ほどき』でもね。
こんな子の幸せを願わずにいられないわけがないじゃないかー!!
オリバーに良い事があればこっちも嬉しくなるし、つらい事があればこっちもつらい。

逆に言えば、もしこのオリバー役の子が全然可愛くなかったら、同じ話でも感想は全く違うものになってたと思う。

まあそんな感じで約2時間の末、流されるままに幸せな暮らしに辿りついたオリバー。
でも本人はイマイチ幸せそうじゃない。私もなんだかしっくりこない。

フェイギンは優しい面があるとはいえとんだクソジジイですけど、行くあてもなかったオリバーを拾ってくれた事に変わりはない。
散々な目に遭わされたけど自分を助けてくれた人だから、オリバーは心から感謝している。だけど、オリバーが助かったのと引き換えに、フェイギンは牢獄の中で錯乱状態になってしまったわけで。

一人の幸せのために、どん底に突き落とされる者もいる。
二人の別れのシーン胸が痛くなった。

それともうひとつひっかかることは。
フェイギンが捕まって、その後ドジャーたちはどうなってしまうのかなと…

 

舞台は19世紀のロンドンってことで。
この時代の街並みを再現したおそらくほぼ完璧に再現しているであろうセットや衣装に驚愕。
そして電気的な明るさを感じさせないライティング。
とにかく映像が素晴らしいんです。映像というより、一枚一枚の絵を見ているかのような感覚です。

しかしあちこちの感想とか読んでみる、内容としてはとあまり評判がよろしくないようで。
確かに、オリバーが最後に掴む幸せも結局『運』でしかない。

彼が「成長した末に掴んだ幸せではない」からね。
そうゆうもやもやも確かに、ある。