「岸和田少年愚連隊」1996年 日本


1996年
監督:井筒和幸
出演:ナインティナイン、大河内奈々子 他

1970年代を舞台に、ケンカ、友情、恋愛に明け暮れるチュンバと小鉄を中心とした若者たちの群像劇。

これはもう、何度観てるかわかりません。
青春ムービーの傑作ではないかと勝手に思っております。

当時ナイナイは24歳くらい。それで学ラン着てしかも中学生からを演じるという、ずいぶん無理矢理な設定。
でも観てるうちに気にならなくなります。ふたりとも演技が素晴らしい!!

この映画の矢部の演技はほんと神がかり的で、無気力でけだるい表情と口調、終始つまらなさそうな佇まいが役柄と見事にシンクロ。原作の中場利一氏も『役が乗り移ったみたい』と当時コメントされてました。
素晴らしいの一言では片付けられない素晴らしさ。もっと評価されて良かったと思うんだけどなぁ。
岡村は特別上手い!というわけではないんだけど、矢部の後をチョコチョコついて歩く感じがいかにもって感じで可愛らしい。永谷園のお茶漬け刺青には笑った。なんか似合う。

矢部の彼女役はしょーもない標準語(by井筒)の大河内奈々子。語りも彼女が担当してますが、しょーもない標準語でタラタラと棒読みで喋ってるのがまた良かった。脱力してる感じが映画の雰囲気に合ってます。

毎日ケンカに明け暮れるチュンバと小鉄。自分たちの仲間より敵の方がダントツ多い。
それでも市民プールに殴りこみに行ったり学生カバンに鉄板入れて待ち構えたり学校まで乗り込んだり、ちょっとビクつきながらも勢いでいっちゃうところが気持ち良い。
冒頭の商店街を逃げ惑って走りまくるシーンも疾走感が溢れてて最高。
敵とのやり取りもおもしろくて、木下ほうかと矢部の野生の王国ネタの掛け合いが秀逸。

サブメンバーで天然素材のメンバーも出演。へびいちごも出てます。へびいちごってどこ行った?
宮迫はこれの時点で既に上手いです。なんかしみじみ、てんそメンバーみんな売れて良かったなあって思う。へびいちご…
その他、ブラマヨの吉田や野性爆弾も出演。

息子の事で警察に呼ばれる度に泣きエピソードを披露するオカンが秋野暢子で、荒くれ親父が石倉三郎。こんな親父ほんとにいそう。
岸和田で最も恐れられている男・カオルちゃんは小林稔侍。邪魔だと思えば電車も止めます。こんなオッサンいそう…いないか。

70年代の混沌とした雰囲気が私は大好きなんですが、この映画は全体的に画面が黄色く霞んでてけだるくて、アハハと笑いつつ、やるせなくて胸が痛くなったり。
出る人たちみんなおバカでしょうもないんだけど、人間臭くて憎めないんだなあ。

決してキラキラ輝いているわけではないけど、こんな青春も有りだよねって思うのです。