コスプレイヤー森雅之『カモとねぎ』

監督:谷口千吉
出演:森雅之、緑魔子、高島忠夫、砂塚秀夫、東野英治郎、小沢昭一 他

森雅之、高島忠夫、砂塚秀夫のポンコツ詐欺師トリオ+スーパーキュートな金庫開け名人・緑魔子というなんだかすごい組み合わせのキャスティング。そこへ公害病等、当時の社会問題をあれこれ盛り込みつつしっかりコメディとして成立させているすごい作品。
さらに森雅之のウラ代表作と言ってもよさそうなくらい森雅之の魅力がギチギチに詰まった作品でもあり、モリマオタクはお腹いっぱいになること間違いなし。そんな素晴らしい作品。
それなのにソフト化されていないってのはどういうことなの?しかし名画座ではわりと頻繁にかけられているようで、私も念願叶ってようやく観ることができました。

そんなわけで見どころはなんといっても、CAPモリマのコスプレイヤーっぷりです。ヨレヨレ釣りおじさん、ビシッとスーツ、パジャマ、ガウン、瓶底眼鏡の税務署職員、お硬い教育委員、自衛隊、カタコトの怪しい色黒日系人、投獄ヒゲモジャモリマと、ノリノリでお着替えしてくれるしどれも見事にハマってる。
本人めちゃくちゃ楽しそうで観てるこっちも楽しいし嬉しい!全コスプレ写真並べて特大ポスター作りたいね。

そんなモリマに恋をする33歳年下(!)の玉ねぎショートカット緑魔子。しかしモリマはワケあって黒髪ロングフェチなので、ショートの緑魔子には見向きもしません。黒髪ロング女に向かってフェロモンを放出するモリマを後ろからツンツンして気を引こうとする緑魔子が可愛い!モリマの周りをちょろちょろする緑魔子ほんと可愛いしこちらもお着替えが多くて当時のちょっと奇抜な女子ファッションが楽しめる。
と、思いきや流暢に英語を喋りだしたり、ここぞって時に機転利かせてきたりね。締めるとこはちゃんと締めてくるのが◎

モリマの仲間である高島忠夫と砂塚秀夫もバカで楽しくて最高。ピンクジャケット脱ぐとびんぼっちゃまスタイルになる忠夫(そこに誰も突っ込まないのがまた笑える)忠夫は声が本当にいいよね。髙嶋兄弟、特に兄の方は声がお父さんそっくりなんだなぁ。
実は、これ観る前の日に高島忠夫が亡くなって、まさか追悼鑑賞になるなんて思ってもみなかった。だけどこうして楽しい作品で笑って送ることができてよかったなと思います。

他にも悪徳社長の東野英治郎や桂米朝(米朝イケメンよな)、怪しげレンタル屋に小沢昭一と、脇までしっかり濃いのが嬉しい。青少年なんちゃらのお硬いおばさん集団が(中心的人物が山岡久乃)モリマ教育委員にエロビデオ見せられて悶える様は最高に笑えた。さらに後半では阪急にいたロベルト・バルボンがキャラをしっかり活かした役で登場しますから野球好きな方も必見。

こんな感じで、話の中で扱ってる問題はどれも非常にシビアで重たいものなんですけど、いい意味で難しいことは考えず最初から最後までケラケラ笑って観れるのがこの作品の素晴らしいところ。

 

良質な風刺コメディでありつつ実はモリマと魔子の年の差ラブコメでもあるという。ラストもロマンチックなハッピーエンドで嬉しかった。
モリマ(57歳)と緑魔子(24歳)っていう、年齢だけ見たらなんじゃそれっていうカップリングですよ。ラブコメとか無理があるだろと。だけど実際画面観てみると全然無理じゃないんだよなぁ。何にもおかしくないんだもんなぁ…

森雅之57歳、年相応にシワも増えて年取ってるんだけどそれに比例して色気も増量されてて、女に関しては(←ここ重要w)向かうところ敵なしみたいなオーラがすごかった。24歳魔子がこれだけ年上のモリマに惹かれるっていう設定に何の違和感も感じさせないってのがすごいって。

…モリマを褒め殺して締めに入ってしまいましたが、言いたいことはとにかく、モリマ好きになった方には是非観てもらいたいですし、今まで黒澤映画や成瀬映画のモリマしか観たことないよという方にも是非観て欲しいなって思います。

そのためにはこの『カモとねぎ』是非ソフト化してくださいよってことです。
東宝様、何卒よろしくお願い申し上げます。