三船=五十六というイメージ『連合艦隊司令長官 山本五十六』

監督:丸山誠治
出演:三船敏郎、平田昭彦、加山雄三、八代目松本幸四郎 他

真珠湾攻撃から山本五十六の死、所謂「海軍甲事件」までを2時間弱かけて描いた作品で、特撮監督は円谷英二。

出演者絞って紹介するのに三船以外は誰を書きゃいいんだ?っていうくらい隅から隅まで豪華キャスト。ついでにナレーションが仲代達矢で、当時の東宝の力の入れようが伺える。
個人的には後半でひょこっと清水将夫が出てきたのが嬉しかったり。黒部進も黒沢年雄も若いなあと思ったり。

特撮の方も、シーンにより出来にバラつきが目立つとはいえ、お金かけてるのがわかる。しかし真珠湾攻撃シーンはちょっと残念な感じであらららっと…昔のウルトラマンかゴジラかみたいな。
でもこれだって1968年なんだから、ちょうどウルトラマンと同じ時代なんだもんね。そりゃそうなるか。

なぜだか山本五十六=三船敏郎というのが頭に刷り込まれてるっていう人って、結構多いのでは?私もその例に漏れずな人ですが、実はこの作品を最初から最後までちゃんと観たのは今回が初めて。

三船はかなり抑えめな演技で、それだけに、本心とは裏腹に、しかし軍人ですからその時その時の状況に応じてベストを尽くさなければならない。やらなくちゃいけないんだという、その葛藤がよく伝わってくる。下の若い世代が瑞々しいというか非常に一生懸命で、それと対比すると余計に五十六の立場の辛さが身に沁みました。
終わりの方は最早死に急いでるようにも見える。

これ観てて一番感じたのは、自分の力を過信しすぎちゃいけないってことです。

自分たちの力を信じることは大切だけども、それで現実を見誤ってしまったらいかんと。なんていうか、自国の軍事力を過信し過ぎていたと思うですよ。これは非常に怖いことだと思ってね…

 

残念なのは、こんだけ豪華キャストでありながら、観終わると三船五十六以外の役の印象がほとんど残らないこと。みなさんキャラが薄い。まあ五十六の映画ですから五十六の描写に全力持ってくのは仕方ないんでしょうけど、もったいないよね。

あとねこれね、森雅之が出てくるんすよ。ほんの2、3分ですけど。
何の役かって、近衛文麿の役なんですよ。

これがモリマが出てると知りながらちゃんと観ようという気にならなかった最大の…そりゃこの映画でモリマ出すならまあこの役だよな、っていうのはわかるんだけどさ。近衛さんってあんまりいい印象がないじゃない、ねぇ。
私の中では、悪い人じゃないんだけど政治家としてはTHE 無能という印象しかないんですよ。

なんでこれ、モリマにこのオファーを…
しかもこのシーン、映画的には別にあってもなくてもいいようなシーンなんだよ。このあってもなくてもいいようなシーンのためにわざわざモリマ呼んだんかい!モリマもなぜこの仕事引き受けたんですか…?っていう。

で、これが三船との最後の共演になってしまった。
それがまた残念でさ…