愛は不良を救う『朗かに歩め』

1930年
監督:小津安二郎
出演:高田稔、川崎弘子、吉谷久雄、坂本武 他

普段スリなんかやってる不良のスーパーイケメン高田稔が好きになった女の子のために更生していくおはなし。

小津安二郎がアメリカ映画に傾倒していた影響がモロに出ているということですが、画面の隅から隅まで、小物でもなんでも、とにかくなにもかもが洋風で全然日本じゃないみたい。嫌いじゃないけど(むしろ好き)
この頃の日本てこんなにお洒落だったの?ブラインドなんて当時の日本の会社で普通に使われてたんでしょうか。

子分の古谷久雄や毛利輝夫と一緒にスリなんかしたりしてる不良の高田稔。
一応彼女もいる。ゴツいブルゾンちえみみたいなモガである。

そんな高田稔は街で見かけた川崎弘子に一目惚れします。川崎弘子は会社のクソ社長のおつかいで指輪を買いに来ていました。
クソ社長は川崎弘子を狙っていますが川崎弘子の方はもちろんそんな気はなく、社長がキモいので会社を辞めたいけど一家の生活が自分の腕にかかっているので辞められない。

ある日、高田稔は車で女の子を轢いてしまう。
で、そのまま立ち去ろうとするんですが(←何気に酷い)後ろからバーっと可愛い女子が走ってきました。あっ!川崎弘子だ!
高田稔は慌てて戻り(笑)ふたりを自宅まで車で送ってあげます。轢いた女の子は川崎弘子の妹でした。
この妹役の子もめちゃくちゃ可愛いんだよなあ。

これが縁で、妹同伴で大仏デートなんかしたりして距離を縮めていきます。さらっと大仏に車横付けしててビックリ。
こういうとこ見ると、あ〜なんだかおおらかで良い時代だなあって思います。

で、「会社は不良みたいな人ばかりで気軽にお付き合いできる人がいない」との川崎弘子の発言を受けて冷や汗かく高田稔。自分が不良であることは絶対バレてはならない。

ところがある出来事がきっかけで、腕のタトゥーを川崎弘子に見られてしまい…

 

不良が主役の不良映画なんだけども、なんせ演ってるのは高田稔なのでめちゃくちゃエレガントな不良っていうか、不良映画って感じが全然ない。品のある可愛いメロドラマになってます。

何があれって、高田稔の前髪です。オン眉で。パッツン気味で。
これが可愛いしかっこいいんだ。男前はどんな頭したって男前なんですよ。ビルの窓拭き姿も美しい。拭いてきれいになった窓ガラスのとこからひょこっと顔出すあの演出好き。
もうとにかく顔面が完璧すぎてよ。何したってかっこいいんだわ。

で、そんな高田稔の周りをちょろちょろしてる仙公役の吉谷久雄の可愛さも強烈!
まずもう見た目が可愛い。ちっちゃくてまるくて、ぶちゃいくなフランキー堺みたいな。ブサイクじゃないんだよ、ぶちゃいくなの。連れて歩きたい可愛さです。
兄貴と離れちゃうってなると泣いちゃうしさ、兄貴大好きでどこまでも兄貴についていきたいんだもんなぁ。くそぅ…可愛いぞ。

そんで足を洗うからお別れだって話してる時に高田稔が吉谷久雄の涙を指で拭いてあげたりお洋服整えてあげたりしててちょっとなんか変な気を起こしそうになりました。これだから腐脳は…

ラストの愛情表現は控えめだからこその素晴らしさ。
あの握った手の引き寄せ方に胸がジーンと熱くなったし、幸せな気持ちになりました。
愛の力は人間を変えるのだ。好きな人のために昔の仲間の誘惑に負けなかった高田稔はえらいし男らしいし、そりゃこんな兄貴なら刑務所までついてくわ。

吉谷久雄は最後まで可愛かったし川崎弘子ずっと可愛いし、この3人どんだけでも見てられます。
結論、良い映画ということで。

だけど度々出てくる、何人かで動きを揃えてくるシーンはいかにも狙ってますっていう、いやらしい感じがしてあんまり好きじゃないです。