「華の乱」1998年 日本





1998年
監督:深作欣二
出演:吉永小百合、緒方拳、池上季実子、松田優作 他

夫の寛ともうまくいかず仕事と子供の世話に耐える与謝野晶子は、気晴らしで出かけた劇場で有島武郎と出会う。
激動の明治、大正を詩人・与謝野晶子の視点から描いた作品。

どうしても有島武郎=松田優作、とはならなくて

耐え忍ぶ小百合を見たいというよりは、松田優作の有島武郎に興味があったんですけどね。私の中の有島さんのイメージと松田優作のイメージって全く一致しないもんで、どうかなあと思って観てみたんですけど…

うーーーん。やっぱり微妙だなあ。

想像以上に抑えた感じで弱いところもあって、最初は『そんなに悪くないかも?』と思ったんだけど、やっぱり馴染めなかった。私の中の有島さんって、まああの顔だから気優しい雰囲気があるんですけど。
勝手な私のイメージなのでアレですけども。先入観って邪魔だね。

それにしても豪華です。小百合に緒形拳に池上季実子、内藤剛(若い!)、風間杜夫、松坂慶子などなど。成田ミッキーも出てます。優作さんとミッキーの共演って何だかおいしいね。
そして緒方拳の着流しが大変ステキでございました。
松坂慶子の一人芝居はちょっと長くないかい?すんごい力入ってたけどこっちが引き込まれる程のものでもなかったし、正直途中で眠くなったよ。

主役は小百合演じる与謝野晶子。不倫の末緒方拳=与謝野寛と結婚。
ところが緒方拳は自分より嫁の稼ぎの方が上という事や同士に見捨てられた事も重なり創作意欲を喪失、鬱同然のようになりゴロゴロふて寝の日々。大勢の子供を抱え(よくあんなに産んだよなあ)小百合は一生懸命原稿書いてます。耐えてます。

ある日、気晴らしに松井須磨子=松坂慶子のお芝居を観に行く小百合。
その帰りにサイドカー乗り回して馬車に突っ込んできた優作さんと知り合う。実は小百合、優作さんの元妻にそっくりなのであった。
それが縁で親しくなる二人を影からうらめしそうに見つめる池上季実子。後に優作さんと心中する事になる波多野秋子です。彼女は婦人公論の記者で、創作をやめていた優作さんの原稿をなんとかして貰おうとしていた。

創作をやめて生きる意欲も失くしていた優作と、旦那ミッキーから人形のように扱われ、自分を連れ出してくれる人と心中したいという気持ちを強く持っていた季実子はお互い惹かれ…ってことで合ってるのかな?
映画ではこの辺の描写が浅いんで(なんせメインは小百合×優作だから)何とも言えんけど。
ところが優作さんは小百合と出会って心が揺らぐようになる。

一方ぐうたら亭主緒方拳は、周りのススメで選挙に立候補。ところがそれを良く思わなかった小百合が記者に余計な事を喋ったせいでボロ負け。
更に、小百合が緒方拳をほかって東京に帰ってる間に昔なじみの親戚?の女性とくっついちゃって、小百合の下を去っていく。
与謝野寛…与謝野鉄幹ですが、この人ってこんな人だったの?よくわからんけど。

北海道にある自分の農地を地元の農民に解放した優作さん。そこへ小百合も呼びます。小百合は風邪引きまくってる子供たちを残して北海道へ飛ぶ。ところが農地解放の件で優作さんは警察にしょっぴかれたりなんだりした末、小百合を先に東京へ返す。

東京へ帰ると、子供たちがいっせいに反抗期に!そして、家を出て行ってた緒方拳も帰ってきてゴロゴロしており、小百合絶望。緒方拳とくっついた女性は病気で死んでしまったのだった。
そんな時に、優作&季実子心中の知らせが入る。

優作さんが東京へ戻ってきた3日後の事です。
史実では、この二人は亡くなった1ヶ月後に発見されるのでここは創作になりますな。
季実子からの遺書を読んだ小百合は、自分の浅はかな行動を後悔する。

そして大正12年9月1日、関東大震災・・・・

全てを失い呆然とする小百合だったが、交流のあった大杉栄の友人が警察に連れていかれるのを見て、『生きていてください!』と叫ぶ。
小百合と同じく全てを失った緒方拳は『家を建て直そう』と言い、再び一家団結するのであった。
おしまい。

…っていう感じなんですけど。
あのー、あれだ、与謝野晶子と有島武郎は確かに交流はあったようなんですが、与謝野晶子の一方的な片想いというか、この映画ほど親密ではなかったんではないかと思うけど。

これは晶子=小百合=主役だから仕方ないか。
あ、一応これも原作があるのか。じゃあ小百合のための映画とも言い難いな。

個人的には有島さんの波多野秋子の間にあった事にとても興味を持ってるので、そうゆう邪魔な気持ちもあったせいか、見ていて非常に退屈でありました・・・与謝野晶子邪魔だなあ、とか。←これを言ったら身も蓋もない

小百合も相変わらず一本調子というか感情の起伏が無いっつーか。だから観ていて退屈なんだろうな。
日本の大女優に向かってとんでもない事ばっか言ってますけどもサユリストごめんね。
ていうか何故これを深作欣二が撮ったのかという謎もあるんだが。

あと、なんで有島さんを優作さんにしたのかっていう謎もやっぱり残る。

とにかく緒方拳の着物姿が良かったです。これに尽きる。そして全てを失った者はいざという時強いね。
ちなみに優作さんはこれの時点で既に体調が優れなかったらしい。
言われてみたらすごい痩せてるもんなあ。