祝・Blue-ray化!京マチ子版『痴人の愛』

1949年
監督;木村恵吾
出演;宇野重吉、京マチ子、森雅之、三井弘次、清水将夫 他

原作は谷崎潤一郎のド変態小説。

真面目すぎて同僚から「君子」とあだ名をつけられている宇野重吉。
家に帰れば、自らが育てあげたダイナマイトボディの美少女妻・京マチ子が待っている。

ところが彼女はとんでもないワガママに育ってしまいました。金遣いも荒いく、男遊びも激しい。
その様子を目の当たりにした宇野重は怒り、嫉妬に狂い一度は彼女を追い出すが…

…っていう話なんですが、万人にウケる映画にするためなのかわからないけど、どうも変態色が薄まりすぎてしまったような気がします。各キャラクターの描き方もそうですけど、なんといってもラストがね…
あれで終わりじゃ、もう違う話になっちゃってると言っても過言ではない。原作好きな方は納得できないんじゃないですか。

そんなわけで映画としては全体的に中途半端で締まりがなく、うっかりすると寝てしまいます。
私もラスト数分気絶。

宇野重はもっと変態ドMで気持ち悪くても良かったのにと思います。あれだと「パパぁ〜ん♡」っていうよりも過保護なお兄ちゃんって感じです。ただ怒鳴ってるばっかりで威圧的な部分が強過ぎたように思う。
なんていうか、思ってたのとは違った風に育ってしまったことを嘆く気持ちに反してナオミの肉体にはメロメロに溺れてしまうという、そういう異常な愛情的なものがあんまり感じられなかった。

チャラい学生群(特にモリマ=熊谷)に対する嫉妬心も弱い。とにかくキャラクターが薄味なんです。
そういえば「出て行け!」って何回言ってた?後で数えてみよう。

もう一つ問題なのはモリマや三井弘次がどう見ても学生上がりには見えないという(笑)
ふたりともアラフォーだからね、この時ね…
モリマは最初これじゃなくて譲治役(宇野重の役ね)でオファーが来たそうで、本人は「どう考えても僕の役じゃないし僕がやったらおかしい」とコメントしてますけど、それはそうなんだけどこの役も違うぞと(笑)

まあでもキャラ的にはいかにもな感じで、役名も本人のあだ名と同じく「まあちゃん」だし、チークダンスしてる時のエロさはやっぱりモリマ最高!ってなります。
「オハヨー」のダラっとした言い方にもときめきます。

短パンにボーダーシャツインという滅多に見れない格好もしております。
いやぁ、似合わなかったねこれは。最初見たとき吹き出しちゃったよ…

まあちゃんはチャラいグループのリーダーしていながら実は常識ある男子。
いきなり真面目な顔してナオミを諭し始めて、逆ギレしたナオミにビールぶっかけられて、ここらもモリマらしくて良かった。
良かったがいかんせん年齢的に無理がった。三井弘次も。

逆にこの映画の見どころはというと、やっぱりナオミ=お京さんの肉体美です。
ボリューム抜群で、どの洋服を着てもサマになる。
フリフリのドール系衣装を着ても何の違和感もないむしろ似合うっていうのは、当時の日本の女優さんではちょっとこの人以外に見当たらないのでは?今だってそうそういないと思う。

まあとにかくエロティックで可愛いんです。
だからこそ、譲治にはもっとナオミ沼の変態!って感じが欲しかったなあって思いました。

 

お京さん出演作が円盤でリリースされていく中、まさかこれがBlu-rayで出る日が来るとは思いもしなかったよ。
お京さんと角川のパワーに感謝します。

等倍超解像処理ってのはすごいもんですね。
VHSのかなりぼやけた画質でしか見たことなかったので(劇場でかかってもあんな感じだったのかな)モリマのキレイなお顔やお京さんの美脚、さらに海パンからはみ出た三井弘次のケツまでくっきりきれいな画質で見れて嬉しかったです。あの海岸のシーン、VHSだと白飛びしちゃって全然見えないんだもん。
短パンからはみ出るモリマの脚、結構もじゃもじゃ毛深いわね…とか(笑)いやいや、ありがたいなぁ。

特典で当時の予告編が入ってるんですけど、その中に谷崎潤一郎がセットに遊びに(?)来てる映像が一瞬入ってて、そこに宇野重とお京さんとモリマもいるの。
カメラ回ってるのわかってて3人で小芝居してるみたいな風に見えるんだけど、素のモリマが動いてるところ初めて見たかも…ということで、しばし感動して動けず。
Blue-ray買ってよかった。おまけDVDも嬉しかったです。

しかし谷崎潤一郎、この映画のラストを見てどう思ったんだろうね。