「ブロークバック・マウンテン」2005年 アメリカ

同性愛

2005年
監督:アン・リー
出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ジレンホール、アン・ハサウェイ 他

あらすじ


1963年、羊飼いの仕事で一緒になったイニスとジャック。
大自然に囲まれた過酷な労働の中男二人だけの生活が始まるが、やがて二人の関係は『同性愛』に発展してゆく。
自分とジャックの関係に否定的で悲観的でありながらもどうしていいかわからないイニスと、どうにかして愛を形にしたいともがくジャック。

そんな二人の、20年にも及ぶ物語。
そして私の感想文も長い。

ネタバレビュー

ホモ映画なんですわ。
なのでまあ、そうゆうのが苦手な方には全くおすすめできませんが。それでもモーリスとこれは個人的に好きでおすすめしちゃいたいんだな。

まず大自然の風景が非常に美しい!
それに加え羊の群れ。動物チャンネルで流れてそうな癒しの風景。
そんなわけで、癒され過ぎて少々眠くなる。爆

イニスに関しては特に言えると思いますが、感情的な台詞はかなり抑えられてるように思う。イニスとジャックの心情は、表情を見ているこちらの受け取り方次第かと。

が。

結構唐突にホモホモし始めた印象。←
酒で酔い過ぎた勢いもありつつ、人肌恋しくなった勢いもありつつ(男二人きりの生活だからね)、って事なんでしょうが、それまでの二人を見ていてもあまりそうゆう雰囲気になりそうな風には感じられなくて、まあ唐突です。元々は二人とも同性愛者ではないんだし。
そして仕事の契約期間が終わり、二人は再会の約束もしないまま別れる。

山を降りたイニスは付き合っていた彼女と結婚し子供もできる。
一方ジャックは翌年イニスとの再開を期待して再び羊飼いの仕事を希望するが、事務所のおっさんに昨年仕事をサボってイニスと遊んでいたところを見られていたために断られてしまう。しかもイニスが事務所に訪ねてこなかった事も知りガックリ。
結局ジャックはロデオで知り合った女性と結婚、イニスと同じく子供もできますが、嫁さんの親父がまたクソったれジジイでまるで嫁をいびり倒す姑の如くジャックを邪魔者扱い。当然ジャックは不満を募らせる。
そして二人が山を降りてから4年経ったある日、イニスの元にジャックから『会いに行く』とのハガキが来る。
そしてついにジャックご来宅。4年ぶりの再会!!

って事で大盛り上がりの二人はハグだけでよせばいいのに(だってイニスんちの庭だし)ちゅっちゅまでしちゃって、しかもその現場をイニスの奥さんに見られてしまう。
動揺を隠せない奥さん。そりゃ自分の旦那がホモホモしてたらショックですよ。
で、その晩イニスはジャックと出掛けたまま家に帰らず、しかも泊り込みで魚釣りに出掛ける始末。
奥さん不信感バリバリです、っていうかもう現場見ちゃってるし不信感どころの話ではない。

今でこそ同性愛に関しては随分寛容になりましたが、この映画の中ではまだまだ偏見に満ちていた時代。
ジャックはイニスに「牧場を所有して一緒に暮らそうぜ!」と提案するが、イニスは拒否する。
イニスは家庭を捨てるつもりはなかったし、子供の頃に同性愛が原因で虐殺された男性を目撃した経験があるので、同性愛に対して悲観的なところがあるんですな。でもジャックを好きな気持ちは抑えられないっていうね。

二人が気兼ねなく会えるのは人里離れた山奥だけ。
イニスは釣りと称して度々ジャックに会うようになるが、家庭の方は冷え切り状態。だって旦那は釣りに出掛けているはずなのに、魚は持ち帰ってこないのだ。

奥さんは我慢の限界、ついに離婚。
奥さんと子供は裏切られた形というか、イニスの揺れる感情の犠牲になるわけでかなり気の毒です。
しかしイニス離婚情報にジャックは大喜び!これで気兼ねなくいつでも会えるぜヒャッホウ!

しかしイニスは養育費を払わないといけなかったりで仕事が忙しくなかなか会えない。
やっと会えたと思ったらイニスに『今日は子供が一緒だからダメ』と言われて帰り道泣いちゃうジャック。
ジャック一途でかわいいよー。本当に凄く会いたかったんだね。

そのまま満足に会えない状態が続き、時はなんと20年も経っていた。
二人は口論になり、気持ち的に限界ギリギリだったイニスは『おまえと出会ったせいで人生が狂った』と吐露。
そんなイニスを抱きしめようとするジャックをイニスは必死で拒否。でも結局しっかり抱きしめられちゃう。イヤよイヤよも好きのうち。

20年の間にいろいろあったけど、何があってもジャックを愛する気持ちからは逃れられなかったのだ。
そんな気持ちは個人的に凄くよくわかるもんだから、ちょっとここは泣いてしまった・・・ごめん、ちょっとじゃなくてだいぶ泣いた。
どうしたってどうしても割り切れない感情ってあるよねつらいよね。イニス見てるともうつらい気持ちがわかり過ぎて胸が苦しくて窒息寸前。

ある日、ジャックに出したハガキが『死亡』の消印を押され返ってきてしまう。
イニスはジャックの奥さんから、ジャックが事故で死亡した事、遺言で『遺灰はブロークバック・マウンテンに撒いてほしい』と言っていた事を聞かされる。
・・・あれ?ジャックが奥さんと別れるシーンってあったっけ。見落としたかしら。ごめんなさいちょっとわかんない。
ジャックの家を訪ね、彼の部屋を見せてもらうイニス。そこで、昔ブロークバックでなくしたと思っていた自分のシャツを見つける。
そのシャツの上には、ジャックのシャツが覆いかぶさるようにかけられていた。

シャツをお持ち帰りして、クローゼットにブロークバックの写真と一緒に飾るイニス。
これでやっと、ずっと一緒にいられるんだね・・・

 

ホモ映画とか観ると毎度思うんだけど、もうその設定だけでずるいっちゃずるい。ずるいなあと思いながらも引き込まれちゃうんだけど。
世間体と現実に阻まれ上手くいかない二人の人生。イニスもジャックも、奥さんや周囲を傷つけないようにと思いながらも結局傷つけ、お互いも傷つけあって苦しんで、それでも愛する事をやめられなかった、っていう何これとんでもなく切ないんだけどどうしよう。

結局二人の居場所は、共に過ごしたブロークバックにしかなかった。
きっかけはどうであれ、忘れられず断ち切る事もできず想い合う内に、お互いの心の弱さも生き方もひっくるめて愛し合ってたわけですよ。
この辺りはもう同性愛とかも通り越して魂の繋がりのようなものを感じる。
同性愛なんてのは障害の一つにすぎない、凄く純粋なラブストーリーだと思います。

ヒースが繊細なイニスにどハマリ。表情から何からほんとにもう。
改めて、惜しい役者さんをなくしてしまったよなあ・・・