「誰かがあなたを愛してる」1987年 香港





1987年
監督:メイベル・チャン
出演:チョウ・ユンファ、チェリー・チャン 他

あらすじ


演劇の勉強と恋人に会うためにニューヨークにやってきたジェニファーは、遠い親戚にあたる「元船乗りで家も車もあって裕福でチャイナタウンをまとめてる」という噂のサミュエルの世話になることに。
来て早々恋人に会いに行くジェニーだが、彼には既に新しい恋人がいた。

落ち込むジェニファーの世話を焼くうちに恋心を抱くようになるサミュエル。ジェニファーも次第にサミュエルに惹かれていく自分に気がつくが…

原題は『秋天的童話』
私の中では最高クラスの恋愛映画です。
ほんとーに良い映画だよ!

ネタバレビュー

とーにかくジェニファーを演じるチェリー・チャンがむちゃくちゃ可愛い。
この人今もすごくキレイで香港では美魔女扱いらしいですが、ほんとにキレイです。そりゃ好きになっちゃうわ。

演技の勉強をする(ついでに彼氏に会う)ためにニューヨークへやってきたジェニファー。
遠い従兄弟のサミュエルのお世話になるわけですが、なんと来て早々にこのクソ彼氏が新しい彼女を作っていたことが判明。
これが全ての始まりです。
この彼氏がまたいかにもクソっぽくて、新カノはケバくて高飛車で嫌な感じだ。

サミュエルは元々は船乗り…っていうのは本当だったようですが、現在は酒タバコギャンブルの三重奏でボロボロの車(ドアが壊れて閉まらないw)を乗り回している。前評判と全然違うじゃねーか!

そんなサミュエルのあだ名は「シュンタウ」
シュンタウ=船頭ね。ジェニファーからもそう呼ばれるようになります。

ガサツで乱暴で口の悪いシュンタウ。
だけど本当はすっごく優しいんだ。ジェニファーにすごく優しいの。
だけどやっぱりガサツで乱暴で口も悪い…で、とっても不器用。
だけど不器用なりに、香港からひとりで出てきて更に失恋したジェニファーの世話を一生懸命焼くわけよ。

あのガサツ乱暴&不器用さと優しさのギャップのせいなのか?
この作品、全編に渡って切なさが溢れ出てます。一応ラブコメの部類に入ると思うんですが…どんなシーンにももれなく付いてくるシュンタウの切なさ。
ジェニファーを見るシュンタウの眼がこれまた本当に優しい!切ない!
胸が痛くなるほど優しい眼差し。これは演者がユンファでなきゃ成立しなかったと思う。あの人特有の優しくてあったかい雰囲気があるよね。
これ観てユンファ好きにならない女子がいますか?いないよ!100%好きになっちゃうよ!ソースは私です。

ジェニファーはジェニファーで、シュンタウのことをすごく頼りにしてて「もしかして私シュンタウのこと好きかしら?」ってなってる気持ちがすごく伝わってくるんです。
が、付き合って後々結婚てことを考えると、ちょっと気が進まなくてその気持ちをハッキリ表に出せない。シュンタウが一生懸命それっぽく気持ちを伝えようとしたりしてみるんだけど(←おっと切ない)、それを素直に受け止められない。
そりゃね、酒飲みギャンブル好きときたらそりゃあ結婚はうーん…ってなって当然だもの。

この映画はキャラクターの心理描写がすごく丁寧。更に主役おふたりの表情がほんとに良い。
明確なシーンやセリフはなくても、ジェニファーとシュンタウがお互い惹かれ合っていく様子がすごく自然に伝わってくるんです。

パーティーを開くからってことでジェニファーを誘うシュンタウ。
「自分の誕生日パーティーだ」って言えばいいのに、肝心のそこは言わないっていう。
で、そのパーティーに何故かあの元カレもやってきた。どうやらあの高飛車彼女とは別れてジェニファーとヨリを戻したいとかなんとかでね。は?って感じですわ。

しかしまんざらでもなさそうなジェニファー。
ふたりが喋る様子がおもしろくないシュンタウは主催者のくせに拗ねてその場を去りいつもの悪友たちとギャンブル。更にいつもの喧嘩仲間と喧嘩。
更に更に、それが原因でジェニファーと大喧嘩。

後にシュンタウが誕生日であったことを知ったジェニファーは彼のきったない部屋をキレイに片付けてあげるんだけど、そんな時に前に子守のバイト先の奥さんから「うちで住み込みで働かないか」と誘われる。
ジェニファーはシュンタウと暮らすアパートを出る決意をする。

シュンタウはシュンタウで、きれいになった部屋+αを見て一大決心するがもう遅い。
ジェニファーは元カレの車に乗りアパートを出て行くところだった。

ジェニファーが乗る車をシュンタウが追いかける。
ベタベタなシーンなんだけどここで切なさはMAXに突入。

バックに流れる映画のテーマ曲の切なさも相まって毎度ここで号泣。
これで終わりかよー!!この切なさをどこにぶつけたらいいんだよー!!
と、なるんですが最後の最後はふたりにとって希望が見えるもので、観ているこちらも救われます。

地味な作品ですよ。
ラブストーリーだけどイチャイチャなシーンは皆無。しかしそれでいてこんなにも切なくて胸が熱くなって。
なんていうかな、すごく…あったかくて優しい気持ちになれるんです。

会話のテンポが良くて(中国語補整か?)、無駄に思えるエピソードはひとつもない。
ニューヨークの街の映像も素敵でね。スタッフが現地の人間ではないからこそ、異国の景色を魅力的に撮ることができるのかな?と。
そして音楽も本当に良いんです。

これ突っ込むところがないな。完璧だ。
こうゆう作品にはなかなか出会えないよ。

大好きな作品です。