「淑女は何を忘れたか」1937年 日本

コメディ

1937年
監督:小津安二郎
出演: 斎藤達雄、栗島すみ子、桑野道子、佐野周二 他

大阪からやってきたスーパーモダンガールな姪っ子が恐妻家の大学教授夫妻の間を引っ掻き回す、都会的でおしゃれなライトコメディ。

※上原謙が特別出演♡

斎藤達雄と桑野道子のスタイルの良さに驚愕

子なし夫婦のところに小生意気な姪っ子がやってきてかき回す…という、同じ話がどこかにあったなと思ったら、市川崑の「あの手この手」ですね。

「あの手この手」1952年 日本

2018.03.14

それの元祖がこっち、ということで…いいのか?
気弱で嫁に頭の上がらない旦那は斎藤達雄=森雅之。イニシアチブを握る強い嫁は栗島すみ子=水戸光子。そして関西方面からやってくる生意気な姪っ子が桑野道子=久我美子。
始まりから終わりまで話の流れはほぼ一緒と言ってもいいんですが、掻き回した末に夫婦にもたらす結果から思えば、こちらの桑野道子の方がしっかり役割を果たしてるような気がしてスッキリします。

とにかく会話が楽しく、そしてなんと言っても斎藤達雄と桑野道子が本当に魅力的!たった70分の作品なので、終わりの時間が近づくにつれて「あ〜、もうじき終わっちゃうな…」と寂しくなりました。
私、小津映画はどうも苦手で随分長いこと敬遠していたのに、ここに来てこんなに楽しめた自分に驚き。

実を言いますと、戦前の斎藤達雄をちゃんと観たのはこれが初めて。それこそおっさんになってからの斎藤達雄しか知らなかったっていうかそんなに気にして見てもいなかったんだけど。
…いや、これはねえ。これはもう絶対、斎藤達雄絶対モテただろって思ったですよ。こんなにモダンでスマートでスタイル抜群だったなんて…!
長身っていうイメージも何故かあんまりなかったんだけど、180cm超えてるんですよね。当時の日本人男性の平均身長は165cmあたりでしょうから、ズバ抜けてデカい。スーツ着ても和服着てもサマになって、何よりロングコート着てる時のシルエットのきれいさといったらもうもう!もう!
立ち姿がほんっとにキレイ。日本人じゃないみたいだよ。

で、ちょっと猫背の、なんつーんですか、あの首のあたりからなんとも言えん枯れた色気が出てるんですよ。これはもう衝撃でね…
これから斎藤達雄を見る目がガラっと変わると思うし、戦前の彼をもっと観てみたいなと。また新しい楽しみができました。

で、その斎藤達雄と並んでも全く引けを取らない桑野道子のスタイルの良さも素晴らしく。2人で並んで歩くシーンはほんと絵になってます。桑野道子、顔は純和風なのにモダンでお洒落な服が似合っててとっても可愛い。加えてあのいかにも生意気そうではすっぱな表情がまた良いんすよ。

「シワのできない笑い方」を始めとした奥さま方の憂さ晴らし的井戸端会議にクスクス笑い、斎藤達雄の素晴らしさに悶え、オシャレな桑野道子に目を奪われ、子どもの算術が解けなくて困り顔の佐野周二に萌え(←このシーンすごくいいよ!)、そして特別出演の上原謙の使い方に仰天w

退屈知らずの70分、サクッと観れておススメです。

いや〜しかし一番好きなのはね、忘れていた何かに気がついてからの、栗島すみ子の超甘ったるい「眠れますよお〜」の言い方!この言い方、最高。
なるほど、肩をすっと触るあのしぐさの意味はそうゆうことなのか。